顎関節症

PERIODONTAL DISEASE TREATMENT

What is Temporomandibular joint disease?

顎関節(がくかんせつ)症ってなに?

皆さんは、毎日の生活の中で食事をし、他の人達と話をしてコミニュケーションを取る事が当たり前の事の様に感じておられるでしょうが、もしそれが上手くいかなくなる事が有るとしたらどうなるでしょうか?
いつものように健康で楽しい生活が送れるでしょうか?

最近の報告にあるように、顎に関する症状(顎の関節の痛み・お口が大きく開けれない[自分の手の指を3本縦に入れれない]・お口の開閉が上手く出来ない・食事がスムーズに出来ない・しっかりと奥歯で噛み締めれない・等)を訴える方が増えているそうですが(特に女性の方が増えているそうです)、皆さんの中にも心当たりのある方がいらっしゃいますか?

顎の関節(耳の少し前方で手で触ってみた時に顎を動かしてみて下さい。耳に近い場所で動く所がありますね。そこの場所です。)は、体中にいろいろな多くの関節がある中で唯一、左右一対で動く特殊な関節なのです。

更に身体の中でも特に力のかかる場所にしか存在しない関節円盤(顎の骨と骨の間に有る板状の繊維性軟骨)と言う物があります。その上この関節を作る上顎と下顎の骨の周りには、複雑な下顎の動きを行うためにいろいろな方向に多くの筋肉が存在していますし、大事な血管や神経も存在しています。

そのために、いろいろな影響を受けやすく、又逆に全身への影響も有るのではないかと言われております。

顎の関節に関わる症状は、最近は全身とも密接に、相互に関わっているという学者もいるくらいです。

例えば、ある男性の方ですが、スキーで左足を骨折したためにギブスをして片足を松葉杖をつきながらの生活をしたとたんに、左上の奥歯に被せてあった銀歯が取れてきました。付けても付けてもしばらくすると取れると言う事が、骨折の足が治り松葉杖を使わなくなると、取れなくなったと言う事がありました。

これは、身体の左右前後での筋肉の使われ方が著しく変化すると、背中や腰の筋肉や関節の動きが変化して顎を動かしている筋肉にも影響が出たために咬み合わせがそれまでと変わり、上下での当り方や動きが変わったためと考えられます。
その時に短時間であれば影響がでない顎の関節も長期にわたり悪い習慣や影響を受け続けると症状や障害が現れてくるようです。

又、長期にわたる偏頭痛の原因や耳鳴りの原因が、顎の関節やその周りの筋肉の障害であったために、咬み合わせや顎の関節を安定させるための治療を受けて治ったと言う事もあるようです。

これらの事からもやはり全身の中の一部である顎の関節は重要です。

Symptoms of temporomandibular disorders

顎関節(がくかんせつ)症の症状

こんな症状はありませんか?

  • 顎の開閉が上手く出来ない
  • 顎を大きく開けると(あくびの時など)習慣的に顎の関節が外れる
  • 顎が大きく開けられない
  • 顎の開閉時の痛みが有る
  • 顎の関節が開閉時にひっかかったり音がする
  • 顎の関節の周囲の筋肉に痛みがある
  • 顎を大きく動かす時にまっすぐ開け閉めできずどちらかに偏る
  • チューインガムやキャラメルや硬い(強い物)肉などが上手く噛めない
  • 強く噛み締めたりすると痛みや耳鳴りがしたり側頭部などの頭痛がある
  • 肩こりが片方に有り時々それがひどくなったり痛みを伴う
  • 顎の周囲の筋肉で強く圧迫すると痛みが有る
  • 顎を大きく動かす時に耳に時々あるいはいつも雑音が聞こえる
他にも小さな事まで含めると、
いろいろな不定愁訴を訴えられる方がいらっしゃいます。

ところで、その原因と治療法ですが、原因については今のところ症候群(医学的に、ある病気の特徴としてあらわれる様々な症状の全体)という認識のように、人によって個人差がいろいろと有る上、原因もいろいろと有ると言われており、特定できないのが現状です。
又、たいていは原因は一つだけとは言えない様な場合が多く、口腔領域(口に関連する事)だけに留まらず、首や頭の後方や背中や腰などの全身の骨や関節や筋肉とも関連していると言う事も言われています。

顎関節症の原因

お口に関係するもの

・咬み合わせの悪さや大きな咬合の変更
・長期に及ぶ歯科治療や永年に及ぶ咬み合わせの低位(低下)
・プラキシズム(かむかむ17・18・19号参照
・MPD症候群(筋肉及び筋繊維の顎顔面に於ける痛みの一群)

それ以外の原因

・事故やスポーツなどによる外傷・傷害
・長期のストレスや大きな心配事
・関節炎の影響
・全身に及ぶ疾患の中で筋肉に関する病気
・悪い姿勢やいつも同じ方向ばかりの筋肉を使うようなしぐさや悪習間
・又ある種の薬による作用や誤用乱用による副作用

あるケースでは、お口の中の原因が大半である事も有りえますし、
又あるケースでは、お口の中の原因と全身からの原因が半々と言う事もありますし、
又あるケースでは、全身からの原因が大半と言う事もあります。

そうなると、単に歯科だけの問題では済まなく成るために他科(形成外科、整形外科、カイロプラクティク<整体治療>、心療内科、等)とも連携して事に当たらなければ解決しないと言えるのです。

Treatment and prevention of temporomandibular disorders

顎関節(がくかんせつ)症の治療法と予防

治療法としましては、現在いろいろと多義にわたる方法がとられております。また、多くは歯科や口腔外科などが窓口となりますが、カイロプラクティック(整体治療)や整形外科・耳鼻科なども窓口となるでしょう。
その時、最初に行なわれる治療法も同じとは限らずに異なる事もあり得ます。

本来は、上段でも触れたように各科単独ではなかなか解決しにくい問題を含んでいるために各科連携で診査診断と治療に当るべきでしょうが、なかなか現状はそう上手く行きません。

痛みがある場合・・・

痛みなどがあれば対症療法として痛み止め・筋肉弛緩剤などによる薬物療法、冷やしたり(冷罨法)時期によっては暖めたり(温罨法)と言う理学療法があります。また、一部のスプリント療法も痛みを軽減します。
それにより機能障害を起こしていた関節の動きが良くなり開かない顎が開くようになる事もあります。

かみ合わせや歯並びに原因がある場合…

原因療法として、精密検査の上お口の中に問題があり、咬み合わせや歯並びによる咬合が問題であれば補綴治療にて咬合を回復したり、咬合のバランスが悪い補綴物や修復物があればお口全体のバランスを見ながらやり直したり(咬合治療)します。また、完全にお口が開かない方の顎関節に対しては、大学病院などの口腔外科にて手術して関節が動くようにする場合もあります。

それ以外の原因の場合・・・

しかし前述したように顎関節症の原因は歯科(口腔内)だけではないのです。
もちろんかなりの確立で歯科領域の問題が関与しているとは思うのですが、歯科治療だけで解決しない事も多々経験している事実です。これは最初に触れた顎関節周囲の多くの筋肉と神経支配による影響のためです。

よって当医院も現在はカイロの先生と連絡を取らせてもらいながら治療を行なう方もおられます。それによって著しい頚椎、胸椎などの脊髄のずれやゆがみ、場合によっては骨盤の関節のずれやゆがみなども一緒に診て行かないといけない方々もけっこういます。

しかしながらこれらの事を理解して治療に協力して頂く事すら難しい方々もおられるためになかなか治療効果が現れにくく、中には歯科だけで答えが出ない事に対して不信感や疑念を持たれる事もあります。
海外では歯科のみならずカイロプラクティック(整体治療)や整形外科・心療内科・理学療法士によるマッサージや運動療法まで取り入れながらチーム医療を行っていると聞きます。


日常の運動不足や生活習慣、また、ストレスなどが原因とも言われ出している昨今では、ご自身によるセルフケア(顎の運動やリハビリテーション、全身運動などでの筋肉のバランスをとる事と良い姿勢を保つ、リラクゼーションによるストレスコントロール、過度に顎や歯を酷使しない、無理に大きく口を開けない)がとても大切な予防法であると言う考えも出てきています。

診 療 時 間 日・祝
  9:00 ~ 12:30 ×
14:00 ~ 18:30 × ×

【休診日】土曜日午後・日曜日・祝日
※受付は、各時間帯の15分前までとさせていただきます。

0265-83-0888
受付・診療時間