矯正治療と言うと、皆さんが思い浮かべるのは歯の表面全部にブラケットと言う器具を取り付けて、細い針金を渡して凸凹の歯並びの歯を動かして歯並びを治していく事だと思っておられるでしょう。
しかし、実は歯を動かすこと以外にも、顎の骨全体の幅を広げたり、前方へ長さを増してあげたり、顎の骨の長さや形を切ったり削ったりして縮める事も含めて美容整形術の様な事も歯科矯正治療の分野なのです。
矯正治療でできること
もちろん、顎の骨をいじるような手術を含める事になると、一般開業医ではなく大学病院の口腔外科や形成外科医や外科矯正の専門医が担当したり、美容整形外科病院での矯正歯科部門だったり、大学の矯正科と口腔外科が共同で治療に当たる事に成るのですが、顎の骨の発育成長時期であれば、開業歯科医でも矯正装置により顎の骨の拡大を図り、歯列がきれいに並びやすくする事は可能なのです。
さらに、学童期の乳歯列や混合歯列(乳歯と永久歯が混在する)期における咬合誘導(部分的な歯牙の移動)により、将来の全顎の矯正治療内容を軽減させたり、矯正治療期間の短縮につながるようにする事も、矯正治療の一分野なのです。
矯正は歯並び全体に関わる
実は、矯正治療の分野を広い意味でとらえると、乳歯が崩出(顎から出てきた時)した時から永久歯が無くなる時まで、全ての範囲で関わりが有るのです。
・・・?不思議ですか?
皆さんが知っている矯正は、その中の一部分なのです。
歯並びは、上下の顎の骨の位置関係と大きさにより変わってきます。また、その顎の骨の上に並ぶ歯の位置関係と崩出する歯の方向により、歯の咬み合わせ方や当たり方の強さが決定して来るのです。
歯が出てきた後の不良習癖(指しゃぶりや舌の突出癖や口唇の内側への巻き込む癖など)によっても開咬(前歯部の咬み合わせが出来ない歯並び)が出来てきたりします。
矯正治療の目的
以上の事から、乳歯列の時期には奥歯や前歯の崩出の仕方や咬み合わせを診て、正常な咬合へ導いてあげる事が、将来の永久歯の歯並びや咬み合わせを正常に導くことにつながります。
正常な永久歯の歯列と咬合が、口腔衛生管理がしやすく虫歯予防や歯周病予防にもつながり、咬合崩壊を予防するお口の中をつくる事にも繋がるのです。
矯正の時期
診査の結果、治療が必要なら治療開始時期は早い方が良いでしょう。しかし、いつなら遅いとかだめとか言うものでもなく、成人矯正を含めて現在は年齢的にはいつの時期でも矯正は可能です。
しかし、成長発育期でなくなると一般的には治療期間と治療費は増加する傾向です。 中には矯正を手掛ける先生方の中には、特殊な技術(小外科矯正術)を加味して通常の成人矯正期間の半分以下で仕上げる(急速成人矯正)治療を行っている矯正の先生方もいるようです。(治療費は新幹線料金と成り少し高くなる)
矯正治療は、現在の医療健康保険では基本的には適用に成りません。全額保険外診療となるために、かなりの金額と成る事や、ケースにより個人差が出てきます。
詳しくはスタッフまでお問い合わせ下さい。